コミックマーケット79 当選 東地区 "R" ブロック 39b

 

2010年12月30日発売

Kimidoring Projets 初刊

你与我共存

注:本編は日本語です

A5:無線綴じ製本:94P:小説本

表紙:モノクロ

イベント頒布300円

委託予定無し

 

完売御礼

よほど強い再販希望でもない限りまた作るということはありませぬゆえ、ご容赦を……

 

冒頭だけ公開

 

 ……まぶしいな。

 始めに思い浮かぶ、そんな事。そして、今自分が眠っているという事実に気付く。

 一体、僕はいつから眠っているのだろうか?

 記憶を整理してみよう。僕は白玉楼で真っ昼間から行われている宴会に参加していた。否、参加させられていた。いや、参加というのも表現としてはどうだろう。僕はここに有無を言わさず連れて来られたのだ。店で本を読んでいたら床が消え、そして白玉楼の宴会のど真ん中である。もはやこれ以上の説明は不要だろう。

 しかし、これは寝ていた理由ではない、ここにいる理由だ。何故僕は寝ていたのだ。

 本を没収され、椅子は曲芸台に使われ、店に隠しておいたとっておきの酒が何故かあったので自棄になって呑んでいたのは事実だ。しかし、それほどの量を呑んでいただろうか?

 ……そうだ、某スキマ妖怪が某メイド長に対抗して酒を消すマジックをやっていたんだ。そして、その酒瓶に僕の胃へ直行のスキマを作られて……ここまで逃げたんだった……

 そうして逃げてきた僕はこの桜の下で限界を向かえて、寝てしまったということだろうか。

 何か対策を考えたいところだが、そんな事お構い無しにと辺りは眩しくなっていく

 

……。

 

……声が聞こえる。

 

……誰か、僕を呼んでいるのだろうか?

 それならば、起きねばなるまい。

 ゆっくりと、目蓋を開き、目に光を取り込む。

 そして手を差し伸べ……